歯周外科手術

歯周外科とは深い歯周ポケット(進行した歯周病)では取り切れない、深くに隠れた除去困難な歯石、炎症性バイオフィルムがあり、これらを歯肉を切開、剥離することにより、しっかり見える状態にして徹底的に除去を行い歯ぐきの炎症をコントロールし健康な歯ぐきを獲得することが目的となります。

歯周外科治療 方法・種類

フラップ手術

歯肉を切開して目視下で歯周ポケットの深い位置にあるプラークや歯石の徹底的な除去を行います。

歯周組織再生療法

歯周組織再生治療薬を破壊された歯周組織に注入、塗布し歯周組織の再生を促します。

歯肉の切開
歯肉の剥離
歯石プラークの除去
歯周組織再生治療薬
の塗布
歯肉の縫合

歯周組織再生療法

歯周病によって破壊され失われた歯周組織(歯肉、歯根膜、歯槽骨、セメント質)を薬剤を使って再生を促す目的で行われる手術です。通常の歯周治療や、歯周外科(フラップ手術)と組み合わせて行われます。

手術は局所麻酔を行い、歯肉を切開し明視下で歯石や炎症性組織の除去を徹底的に行った後患部に歯周組織再生治療薬を塗布し歯肉の縫合を行い手術を終えます。

手術時間は約1時間30分となります。概ね、2週間後に抜糸を行います。

歯周組織再生治療薬
『リグロス』について

リグロスは2016年より厚生労働省の認可を受け、保険適応対象となった、歯周組織再生療法に使用できる薬剤です。

リグロスは歯周組織の再生に効果が期待できる薬剤として開発されました。

進行した歯周病によって破壊された歯周組織において歯周外科による徹底した歯石除去を行ったあと術部に塗布することにより失われた骨、セメント質、歯根膜の再生を促す保険適応となったお薬です。

リグロスの効果

  • 歯を支えている歯槽骨に直接塗布することにより骨が再生され歯を支えられるようになり早期抜歯の回避をし歯の寿命を延ばす可能性があります。
  • 歯の揺れによる歯槽骨の負担を減らしグラグラした歯の歯周病の進行を抑制します。
  • 歯の揺れによる痛みや不快感の軽減

リグロスの適応症と禁忌症

リグロスはご来院いただいてすぐに使用できるわけではありません

まずは患者様のお口の中の検査をさせていただき、歯の状態、虫歯の状態や、歯周病の進行程度かみ合わせの状態などを診査診断させていただき、お薬をお使いいただける状態か歯科医師が見せていただきます

その後、まずは歯周病の基本的な治療、歯科衛生士による歯ブラシ指導や食事指導をし禁煙などをしていただき、プラークや歯石の除去、歯面清掃を行います。

こうしてある程度、お口の中の細菌量を減らしお口の中の環境を整えたうえで、歯周外科を行うことでよりお薬の効果が期待できます。

こうした基本的な歯周病の治療期間はおおよそ1か月から2か月かかります。その後に歯周外科処置を行い、歯周組織再生治療薬を使用する治療の流れとなります。

適応症

  • 歯周病の基本治療が終了されている方
  • 歯の周囲の骨が縦方向に破壊されている方
  • 喫煙していない方

禁忌症

  • がんの既往歴のある方
  • 基礎疾患があり歯周外科の適応でない方
    (重度の糖尿病、心疾患、肝臓病、など)
  • □歯の衛生状態が極度に悪い方